社会の情報化が叫ばれ始めたのはずいぶん昔のこと。それはもはや歴史の領域で、おそらく1970年代頃に遡るのではないかと思います。
最近では情報化という言葉自体をあまり聞かなくなった気がします。情報化の進展が滞りを見せ始めたせいではなく、むしろ加速しています。それも爆発的に。
情報化という言葉は当たり前すぎて、もう誰も使わなくなってしまったのでしょうか。
情報化の爆発を支えているのはインターネットの普及とそれを支えるクリエイター(ライターだけではなく、動画コンテンツ制作なども含む)でしょう。
情報の量が増えた分、クリエイターの数も爆発的に増加しています。爆発的に増えたクリエイターは、果たして長期に渡る職業として成立し得るのでしょうか。新規参入は今からでも行えるものでしょうか。
クリエイターの活躍を支える資金
純粋に趣味としてインターネットに情報を投稿する方も多くいますが(むしろその方が多数派だと思います)、文章や映像を投稿することで収入を得ている方にとって、その収入の原資は多くの場合、広告料ではないかと思います。
今現在、ネットのクリエイターを支える広告収入の規模はどのくらいなのでしょうか。過去からの推移はどのようになっているのでしょうか。
総務省の平成27年度版情報通信白書に以下のようなデータがあります。
出展:総務省 平成27年度版情報通信白書
上の折れ線グラフの内、赤い線がインターネット広告費の推移を示しています。広告費の総額は2014年時点で1兆円を突破しました。
インターネット広告費は、2000年代半ば頃から急激に伸びており、2009年には新聞を抜き去り、地上波テレビ以外のメディアの広告費を超えています。
この広告費の伸びが、職業としてのWebクリエイターを支えていると言えます。少なくとも2014年時点では、右肩上がりの増加が続いており、少なくともしばらくの間は職業としてのWebクリエイターの増加を支え続けられるものと思われます。
Webライターのランクとキャリアパス
1兆円の市場規模も、すべてのクリエイターの等しく分配されるわけではありません。Webライターの人数、収入に関する信頼できる統計が存在しない為、確実なことは言えませんが、求人条件、ライティング依頼案件の条件を眺めるだけでも、かなりの収入差が存在するものと思われます。
Webライターに限って言えば、以下のようにランク(収入差)が存在するものと考えます。
1.ネーム持ちライター
ネーム入りで記事を書けるライターを指して「ネーム持ちライター」と表現をしています。多くの場合、特定の専門領域を持ち、記事の作成経験が豊富にあります。
記事の単価も高く、ライターとして生計を立てることが十分に可能ですが、実際には専門領域を主業とし、副業としてライティングを行う方も多いようです。
2.直接契約ライター
コンテンツの制作会社と直接契約を行い、記事を納品するライターを指します。
一般的には、コンテンツ制作会社と直接契約を結べるライターは、記事作成の経験が十分にあり、一定の評価が得られるレベルの記事が書けることが前提となります。
ただし、記事の個別のネームを入れることは多くなく、たいていはコンテンツ会社の名前で記事を出します。
ネーム持ちライターに比べると記事単価は抑えられますが、クラウドライターよりは高めの単価で仕事を受けることができます。
3.クラウドライター |
クラウドソーシングなどにより、業務を行うライターを指します。ライターの入り口としての敷居は低く、初心者の登竜門としては最適と思います。
ただ、記事単価は低いものが多く、クラウドソーシング会社にはシステム利用料なども支払う必要がある為、さらに手取りは少なくなってしまいます。
制約の少ない労働形態である為、副業としては最適ですね。
もしも初心者がWebライターとしての生計を志すのであれば、上記のランクを下からなぞることにより、そのままキャリアパスとすることもできると思います。
3から2に上がるのは、ある程度の経験と学習で達成できます。人にもよると思いますが、それほどには長い時間もかからないでしょう。
そこまで行ければ、おそらく生活する分の収入を得ることは可能です。
将来への布石
少なくともしばらくの間は、インターネットの世界では、広告収入を原資とする仕事がなりたちそうなことは分かりました。
Webライターという仕事も、参入の敷居は比較的低く、経験と学習で職業として成り立つ水準に達することは可能でしょう。
今後はどうでしょうか。
インターネットの広告費が右肩上がりで上がっている内は、新規の参入もある程度受け入れる余力はあるでしょう。
しかし、どの産業でも同じですが、いずれ飽和すれば淘汰が始まります。
淘汰の対象を免れる為にぜひやっておきたいと考えるのは以下の2点です。
・専門性を高めること
・テクノロジーの方向性について行くこと
専門性を高めることは、先のWebライターのランクで述べた通り、収入を高める為には必須の対応と思われます。
またインターネットは、まだまだ拡大期にあり、今後も大きな変化が見込まれます。この為、テクノロジーに限らず、流行の方向性などを見極めた上でできることを増やして行くことが生き延びるためには有効であると考えます。
まとめ
Webライターだけではなく、YouTuberなども、今後も長く職業として成立し得るのか?と考えて、この記事を書いてみました。
私自身はこれまでYouTubeへの投稿経験はなく、結果、Webライティングに特化する形となっていましましたが、いかがでしょうか。
フリーランスの時代と言われて久しい現代。所得の多様化という意味でも、生き残れるスキルを身につけておくことは重要ですね。
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