初めての投資~優待+利回りで考える株の買い方・選び方

働き始めて数年。少しお金に余裕ができてきたけど、貯金しても全然利息は付かないし、試しに株でも買ってみようか。そう考えられている方もいらっしゃるのではないかと思います。

とはいえ、株は怖い。大きな会社でもつぶれてしまうこともある。つぶれないまでも半値になってしまうこともある。やはり、まだやめておこうか。

そんなふうに考えてしまう方へのご提案です。

値上がりする株を選びたい

値上がりする株を選びたい。誰でもそう思いますよね。でも値上がりする株を選ぶというのは、想像以上に難しいことなんです。

実は難しい値上がり株の選定

値上がりする株を選びたい。誰でもそう思いますよね。でも値上がりする株を選ぶというのは、想像以上に難しいことなんです。

例えば、株のプロ、証券会社のアナリストとか実際にファンドを運用するファンドマネージャであれば、将来上がる株が分かるはず、と思いますよね?

実はそうでもないんです。

例えば投資信託の内、日経平均とかTOPIX(東証株価指数)よりもよい成績を収めているものは、ほとんどありません。

投資のプロであるファンドマネージャーが仕事として有望な株を研究して、ファンドに組み入れて運用しているのに、市場平均に及ばないというのはどういうことでしょう?

ファンドを運用するのにコストがかかる為、というのが理由のひとつですが、裏を返せばプロでも手数料さえ吸収できない程度の予想しかできないということです。

そうすると、素人が上がる株を的確に予測するというのは、相当に難しいことが想像できますよね。

 

値上がりをしなくても収入が見込める方法を考える

そうすると、やはり株なんて買わない方が良いのでしょうか。でもちょっと待ってください。株の魅力は値上がりだけではありません。

株には配当や株主優待というような、持っているだけでお金やモノがもらえるという側面もあるんです。

持っているだけでお金がもらえる(配当)

株式というのは実は会社そのものです。つまり株を持っているということは、その会社を持っているということです。

ただし、持っているのは、ほんの少しです。例えば100万株を発行している会社の株を1株だけ持っているということは、その会社を100万分の1だけ所有しているということです。

でも、ほんの少しでも会社を持っていることに違いはありません。とすると、その会社が稼いだ利益の内、ほんの少しはあなたのものということになります。このほんの少しの金額が配当金です。

例えば、1株あたり10円というふうに配当金は配られます。

10株持っていれば100円、100株持っていれば1000円というように、持っている株数が多ければ多いほど、配当金も多くもらえます。

もしもあなたがこの株を1株1000円で買ったのであれば、もらえる金額が10円/年なので、年間の利回りは1%ということになります。

持っているだけでモノやサービスを受けられる(株主優待)

株を持っているだけで受けられる利益に株主優待というものがあります。株主優待は株を発行している企業が株主に対して贈るギフトです。

株主優待の中身は、その企業が扱っている商品やサービスを提供するものが主流ですが、まったく本業とは関係の無い優待を行っている会社も多くあります。

分かりやすい例では、マクドナルドが行っている利用券の配布のようなものや、本業とは無関係なのにお米をくれたりクオカードをくれたりする会社もあります。

持っているだけで、年に1回(2回以上という会社もあります)、何かをもらえるのは悪くないですよね。ちょっと得した気分にもなります。

ただし、すべての上場企業が株主優待を行っている分けではありません。

株主優待を行っている会社の中にも、金額換算して比較してみると、ずいぶん金額に開きがあったりします。

それに優待でもらったものが仮に1000円の価値のものであったとしても、株を買うのに使ったお金が10万円か、100万円かで、ずいぶん値打ちが違って見えますよね。

この値打ちを測る尺度を優待利回りとして率で考える考え方があります。

先ほどの例では、1000円の価値の株主優待もらうのに使ったお金(株の購入代金)が10万円であれば、優待利回り1%。100万円であれば、0.1%となります。

配当金と株主優待を共にもらえる会社の株を持っていれば、それだけで年数%程度の収入が見込めることになります。

そう考えると、多少の値下がりリスクくらいは受け止められそうな気がしませんか?

 

利回りでみる株の選び方

では実際に利回りで考える株の選び方についてお話しさせていただきます。

配当+優待利回りのよい銘柄を探す

配当利回り、優待利回りの考え方については、先ほどお話しさせていただいた通りです。配当+優待利回りについては、実際に自分で計算して算出する方法もありますが、ネット上ですでに算出済の情報も多く出回っています。

他サイトの情報で恐縮ですが、例えば「みんなの株式」配当+優待利回りのランキング情報などを掲載しています。(外部リンク)

また、ネット証券などでも、スクリーニングツール(銘柄検索ツール)などを提供している会社も多くありますので、積極的に活用して行きましょう。

あなたが好きな商品を扱っている会社の優待は、あなたのお気に入りの商品かもしれません。うれしいと思う感覚は、数字(利回り)だけではないかもしれません。もし、欲しい商品やサービスが株主優待となっている会社があれば、チェックしておきましょう。

1.ネットやツールを参考にして配当+優待利回りの高い銘柄を探す
2.金額だけでなく、もらってうれしい優待を探す

安定的に利益を出している会社を探す

たとえ高い配当利回りがもらえるとしても、買った会社が倒産してしまってはたいへんです。倒産しないまでも、その会社が減益や赤字になれば、配当自体も減らされてしまいます。(減配)

四季報などを見ると、過去数年間のその会社の決算状況を見ることができます。この決算状況で以下の点については確認しましょう。

1.過去数年間赤字決算になっていない
2.過去数年間は毎年安定した配当が出ている

急成長をしている会社の値上がり益を狙うような場合には、あまり重要ではないかもしれませんが、配当や優待利回りで収益を求めるのであれば、何よりも会社の安定性が重要です。

この為、毎年の収益の変動が激しい企業は敬遠した方が無難です。

自分の持っているお財布の大きさを考慮して探す

相場の格言で、「同じバスケットにすべての卵を入れてはならない」というものがあります。

たとえ素晴らしい企業に思えたとしても、将来どのようなことがあるかは分かりません。また、ご自身のお持ちの資金をすべて株に投入してしまうのも危険です。

世の中、どんなことでも起こりえます。百年続いた老舗の大企業であっても国策会社であっても破綻する時は破綻します。

もしも破綻した場合というこは常に頭に入れた上で、ひとつふたつくらいなら会社に問題が出ても、トータルでの収益は見込めると想定できるような分散を行うことをおすすめします。

1.全額を同じ銘柄に投資しない
2.余裕資金で投資する

購入のタイミングを考える

配当、および株主優待は、その企業の決算期の末日時点に株を所有していた人に対して受け取る権利が与えられます。

この為、極端なことを言えば権利付き最終日(この日に持っている人は配当を受けられる)に株を買って、翌日に打ってしまったとしても配当金も株主優待も受けられます。

ただし、通常はこのタイミングで株価が高くなり、権利付き最終日の翌日(権利落ち日)に上がった株価が下落します。

また、言い方を変えれば、権利落ち日に株を買ったとしても、配当金も株主優待も受け取ることができるのは翌年になってしまいます。

長く持つなら関係ないとも言えますが、買うタイミングによって値段、や配当がもらえるタイミングに差が生ずることはきちんと理解をしておく必要があります。

実際には、買おうと決めたら、少し相場の動きをウォッチしてみても良いかもしれませんね。

もっとも眺めている内に上がってしまって手が出せなくなることもよくある話しではありますが。

1.配当の権利が確定する日を確認する
2.購入時の価格にも注意を払う

 

最後に

配当利回り優先で株を買うメリットは、毎日株価を気にしなくても良い点にあるのかもしれません。

値上がり追及方法が悪い分けではありませんが、初心者であれば、まずは利回り優先で長期保有をして、株の世界に少し馴染んでから次のステップに進んでも良いのではないかと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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